ドリームハウス
展開に翻弄されて、でも最後には泣きたい人に贈る映画
基本情報
題名:ドリームハウス
原題:DREAM HOUSE
公開年:2012年
製作国:アメリカ
監督:ジム・シェリダン
主演者:ダニエル・クレイグ(ウイル)、レイチェル・ワイズ(リビー)、
ナオミ・ワッツ(アン)
あらすじ
家族との時間をつくるため仕事を辞め、郊外の家に引っ越してきたウイル。
優しい妻とかわいい娘二人との幸せな生活が始まるかのように思えた。
しかし、そこは五年前に一家惨殺事件が起きた家で。
子供は幽霊のようなものを見たと言い出す。
感想
正直よく自分でも見たと思う。
あまりにあらすじがホラー。
ホラーは見ないと書いてあるブログの2本目の記事とは思えないだろう。
でもこれはホラー無理な人にも見てほしい。
実はホラー要素はあまりない。
ポスターのキャッチコピーや私の見出しを信じてほしい。
これは怖い思いをするのではなく展開に驚いて、結末に涙する映画なのだ。
何言ってんだ、どういうことだって思ったら是非見てほしい。
これを見たら人に勧めたくなること間違いない。
見た後、誰かに「きいて、この間すごい映画見たんだ」と言っているはずだ。
*以下、ネタバレあり注意!!
この映画の凄さはその展開の仕方だろう。
はじめは純粋にホラーらしい展開が続く。
しかし、途中で真相がわかりかけた時に見え方が180度変わる。
良き夫、良き父だったウィル自身が殺人事件の犯人じゃんと。
名前もウィルではなくてピーターだし、家族も実在しない。家も廃屋のよう。
とはいえここでは泣かない。
ここまでは、予想可能であるといえば予想可能といえるし、悲しさレベル低め。
この映画のすごいところはこの後。
もう一回見え方が大きく変わる。
ウィル、もといピーターは犯人ではなかった。
向かいの家の住人がした殺人依頼が間違えてピーター一家を殺してしまっていたのだ。
この当時の様子をピーターはもう一度体験する。
この時、心の底からなんで!!って思った記憶がある。
これは何層にも練られたミステリー。
それも、悲しいミステリー。
ポスターの「真実にたどり着いた後、涙という裏切りが待っている」はその通り。
こんなにこの映画にあうキャッチコピーはない。
あと、もう一つすごいところは、ダニエル・クレイグの演技。
ウィルが自分をピーターだと自覚する前と後で顔つきが全然違う。
ピーターが犯人だと思っている時と犯人ではないと分かった時でも顔が全然違う。
ダニエル・クレイグの演技力があってこその映画なんだろうなと。
映画とペン
はじめまして!
執筆者の723です、
1発目の記事はいきなり映画でしたが、自己紹介をしようと思います。
東京生まれ、東京の大学生です。
実家から大学がチャリ5分なのが自慢です。
このブログは人に紹介しようと思った自分的良い映画について書いていきます。
ブログをはじめたきっかけとしては、私が映画好きなのを知る友達から「そんなに見てるんだったらなにか書けば」つて言われたことです。
もともと見た映画を書いてるノートがあって、それでまあかなり満足してたのですが、ブログ形式をとって人に見てもらうのもありかなと思って開設しました。
ブログを始める経緯はこれだけ。友達に言われたその日に開設できるんだからインターネットってすごい。
お次は映画にはまったきっかけ。
映画にはまったの自体は結構遅かったです。高1の時に友達からユージュアルサスペクツを勧められ、Huluで見たら意味わからん程面白かったのがきっかけ。映画ってこんなに面白いんだって思えたのがきっかけでした。そこからHuluにあるめぼしい映画を漁って、アマプラもはいって、長期休暇は自転車をツタヤに走らせるようになりました。あとは幸運なことに両親も映画好きだったため昔のおすすめ映画を教えてもらえたのは大きかったです。
自己紹介はこんな感じで。
次からは映画紹介をしていきます。
髪結いの亭主
幸せなときに死にたいと思うすべての人に贈る映画
基本データ
題名:髪結いの亭主
原題:LE MARI DE LA COIFFEUSE
公開年:1990
製作国:フランス
監督:パトリス・ルコント
出演者:ジャン・ロシュフォール(アントワーヌ)、アンナ・ガリエナ(マチルド)
あらすじ
少年時代に髪結いの女亭主に恋をした主人公アントワーヌ。
彼は大人になり、また別の髪結いのマチルドにプロポーズし、結婚する。
幼い頃からの夢をかなえたアントワーヌはマチルドと幸せで官能的な生活を送る。
感想
*以下ネタバレあり、注意!!
昔の、しかもフランス映画。
人にすすめてもらわなければ手に取る機会はなかなかない類の映画だと思う。
私の場合は両親がすすめてくれた。
のだけど、その時に盛大なネタバレをくらってまして。
母が「あれ、死んじゃうんだよね」って。
映画の転の部分言われてええ、、って思いながらみたけどこれは見てよかった。
死ぬのはアントワーヌだと思ってたのにまさかのマチルド。
でもマチルドの死ぬ理由はとても共感できる。
死ぬのなら一番幸せな時に幸せだなあって思いながら死にたい。
不幸を味わう前に幸せだけを胸に残して死にたい。
でも実際それを実現できる人はなかなかいないだろう。私もできない。
だからこそマチルドを羨望と憧れの気持ちでみてしまう。
とはいえ、残された側は逆に一気に不幸へと突き落とされる。
この映画のラストシーンのインパクトもなかなかではないか。
マチルドの死後、自分の想像よりも普通に過ごしていたアントワーヌ。
お客さんが入店して、普通に髪を洗う。席に通す。音楽をかける。
そこでアントワーヌお得意の不思議なダンスを踊る。
お客さんも一緒になって踊る。
二人で楽しそうにしている姿をみてなんだ、アントワーヌ大丈夫そうと思い始めた時。
彼は何かがきれたように音楽を止め、ソファーに座り、新聞を広げる。
そしてひとこと、「少しお待ちください、もうすぐ妻が帰ってきます」
この時のヒュっとする感覚は今でも思い出せる。
これをみるためにこの映画を見ていたんだなと納得した。
そして少しずれるがこの映画で好きなセリフがある。マチルドのセリフ。
「愛してるふりはしないでほしいの」
素敵だと思う。
さらに素敵なのはアントワーヌがほんとうに心の底から彼女を愛していたということ。
だから死んじゃうんだけど。
幸せなだけでは終わらせてくれないあたりやっぱフランス映画。